2025年4月より、うさぎ・モルモット・チンチラちゃんを対象に健診制度を一部変更いたします。
以下に概要を記載します。
*あまり影響のない方も多いと思いますが、健康管理に関わる情報も記載しておりますので、うさぎ・モルモット・チンチラちゃんを飼育されている方は、ぜひご一読ください。
〜従来〜
対象:うさぎ、モルモット、チンチラ
適応:健康状態が良好で、グルーミングや相談、定期健診をご希望の方(健診頻度は体調やご都合に合わせ)
内容:症例に合わせた処置項目
項目:グルーミング、耳垢除去、視診・聴診・触診、切歯(前歯)チェック、臼歯(奥歯)チェック
費用:実施した処置によりおおよそ¥2,000〜¥3,500ほど
〜変更後〜
対象:うさぎ、モルモット、チンチラ
適応:健康状態が良好で、グルーミングや相談、定期健診をご希望の方(健診頻度は体調やご都合に合わせ)
内容:例外を除き(極端に処置が苦手な性格、持病による体力的懸念など)、統一の処置・検査項目
項目:グルーミング、耳垢除去、視診・聴診・触診、切歯(前歯)チェック、臼歯(奥歯)チェック
費用:¥2,500に統一
従来より、当院ではうさぎ・モルモット健診を推奨しており、一部の飼い主様には利用していただいておりました。
その内容、費用、頻度は以下の通りです。
・グルーミング・・・¥500(2025年2月より¥1,000)
・耳垢除去・・・¥500〜1,000
・視診、聴診・・・¥0
・触診(特に腹腔内蔵機の腫大の有無など)・・・¥500
・切歯(前歯)チェック・・・¥500
・臼歯(奥歯)チェック・・・¥1,500
実施項目は性格やかかる負担を考慮し決定しますが、ほとんどの場合臼歯チェックを除き実施します。
費用はこれらのうち実施項目の合計(おおよそ¥2,000〜¥3,500ほど)です。
頻度は症例・飼い主様の都合に合わせ数ヶ月〜半年に1回ほどです。
現在、当院にはたくさんのエキゾチックアニマルちゃんが受診しています。
うさぎ・モルモット・チンチラなど小型の草食動物において、気付かぬ間に臼歯(奥歯)が過度に伸びてしまい、口腔内が損傷してしまったり、食欲がなくなってしまう子たちが多数います。
最近特にこの臼歯過長(奥歯が過度に伸びること)が原因となり食滞(食欲が落ち、便が出ず、お腹が痛い)を起こす症例によく遭遇します。
草食動物さんはこの食滞を起こすと、大袈裟ではなく命に関わることもあります。
こうしたリスクを少しでも減らすため、従来は必要に応じて行っていた奥歯チェックを、原則毎回チェックするように変更します。
この変更は、臼歯過長を未然に発見し、早期に処置(奥歯の尖りを削る処置)を実施し、動物さんに口の痛みを感じさせないようにすること、食滞の防止をすることを目的としています。
〜補足〜
以前から臼歯過長は歯が伸び続ける草食動物さんの宿命疾患として、飼い主さんにも認知されていましたが、最近の飼育環境の変化(より柔らかく美味しい牧草を好んで食べるようになるなど)も重なり、こうした症例が増えているものと予測します。
実は、こうした臼歯過長のリスクをお家で減らすことができます。それは、牧草(チモシー)の1番狩りを主食としてしっかり食べることです。これを徹底するだけで牧草の咀嚼の際に効率よく臼歯同士が摩耗し、大部分の臼歯過長は防止できます。
これは基本的かつ重要な知識ではありますが、飼い主さんの間でも意外と知られていない印象を受けます。
しかしながら、これらの知識を持ってはいても、自分の子は全然チモシーを食べてくれず、2~3番狩りやアルファルファ、ライグラス等しか食してくれない、こんな相談もよく受けます。
また、加齢に伴う変化や持病の影響により、満足に牧草を食べらない子も多々います。
やはりこうしたケースは臼歯が伸びやすく、1〜2ヶ月前後の定期的な観察、臼歯の伸び具合によっては削る処置を実施する必要性が高いです。
こうした草食小動物における口腔内処置は思いのほか専門的な知見や技術が必要になりますが、当院は昔から歯に問題を抱えた子が多く通っており、これら症例における検査・処置のノウハウの蓄積があります。
歯の状態や性格等にもよりますが、多くの子が無麻酔で処置を受けられます。
このエキゾチックアニマル健診を通してより一層、飼い主さん・動物さんたちのお役に立てると幸いです。
専門的なことは当院で把握をし、状態を詳しくご説明し、処置をしますので、飼い主様はあまり難しく考えず、気軽に健診制度を利用していただければと考えています。